読書会
ー 南極観測船「しらせ」田原飛行長の言葉 ー
流れ星に願うと、
夢がかなうのは本当です。
一瞬で消えてしまう流れ星に
願いを言えるほど
日ごろから口にしているからです。
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午後1時半。読書会「お寺de名著」は、渡貫淳子著「南極ではたらく」を取り上げ、
案内役に第57次南極観測隊員、現在小学校教諭の柴田和宏先生をお迎えして始まりました。
白いシーツを壁に貼った急ごしらえのスクリーンに映し出されたのは、先生オリジナルの映像作品。南極の風景や観測隊の暮らしが生き生きと伝わり、わかりやすく楽しい解説にぐいぐい引きつけられます。
完全個室に対して、二畳間に4人部屋。
充実の娯楽室に対して、昭和の録画番組を見るしかないテレビ室…。
一年以上を過ごす越冬隊員と数か月滞在の夏隊員の数々の格差を描いた巧みな構成に皆さん大喜び。柴田先生のユーモアセンス、素晴らしいです。何より先生が楽しそうにお話くださるのが、とても素敵でした。
後半では「”夢を追って生きる” という生き方」をテーマにお話いただきました。南極観測隊員を目指し実現した経験から語られるお話は、強い説得力で伝わり、人生にとって大切なことを受け取れた、奥行の深いお話でした。
反対する人もいれば、応援してくれる人も必ず現れる。出会いに感謝する先生のお話に、来られた皆さんは満足の表情で帰られました。そんな場所にお寺がなれたこと、ありがたく思います。
休憩時間には軽食のおもてなし。
食材を無駄にしない。使い切る。料理隊員として渡貫淳子さんが貫いた心得を見習いました。
住職夫妻がこしらえた、お供えのバナナを使ったパウンドケーキ、金柑のはちみつ煮添え。
ご飯に天つゆと天かすと青さのりを混ぜ込んだ、渡貫さん考案の悪魔のようにおいしい「悪魔のおにぎり」
国立極地研究所から届いた何万年も前の地球の大気を閉じ込めた南極の氷も登場し、悠久の時間を感じることができました。
先生は、越冬隊員として再び南極へ赴く夢を追って、日々を大切に過ごしていらっしゃいます。
心より応援しています。柴田先生、ありがとうございました。